Liskの現状と将来 Dappは作りやすいか?
Liskはスマートコントラクトが実行できるブロックチェーンです。 実際手を動かして調べたことをまとめます。
前の記事でEthereum上のコーディングを検討していると言いましたが、簡単に言えば自然言語処理コードをブロックチェーンで動かすアイディアの実装方法で迷っているという話です。
Ethereumをプラットフォームとして調べると言うことは、Liskも調べるということになります。
ほぼ、同じ方向を向いているプロジェクトだからです。
結論から言えば、
①EthereumとLiskは今のところ比較にならないくらいの差があります。
2014年から始まったEthereumと2016年に始めた時期が全然違うので当然ですが、Ethreumのスマートコントラクトはもう動いていますし、送金も頻繁ですが、LiskはスマートコントラクトのAPIをまだリリースしてすらいない上に、送金がないブロックばかりです。
②Liskの価格は1年以内にどんどん上がります
なぜなら、スマートコントラクトのAPIリリース(ver 1.0.0)が直近(〜秋)である上に来年5月にまた半減期が入るからです。
ではEthereumとの比較ですが、
共通点は
①スマートコントラクト(Dapp=分散アプリケーション)
②独自通貨の実装
③Power of Stakes
です。
よく言われる相違点は
①Liskはサイドチェーンだからセキュリティ上Ethereumよりよろしい、さらに手数料を自分で設定できる。
②Liskのブロック生成は10秒に1回なので取引が速い
③LiskはJavascriptで書かれているから、既存プログラマーに優しい
みたいなところです。
ではLiskの現状を整理しますが、
①Liskはまだブロックチェーンのマイニング・送金の安定を目指している段階
Lisk Development Roadmap – Lisk Blog
これを見れば分かりますが、この数段階のうちの最初の段階です。
Ethereumが苦労した第二フェーズはLiskで言うところの第3段階ですから、これから苦労するのかと。
ちなみに今はliskのブロックチェーンブラウザ見ると分かりますが、取引0のブロック多いので、スケーラビリティの問題に直面するのは、まだまだ先になりそう
スマートコントラクト付きのフェーズにはver1.0.0のリリースで突入し、それはQ3かQ4のはじめつまり秋ごろになりそうとか。つまり秋に1回価格上昇が期待できます。
②ドキュメント不足!!
Liskの中で一番よいDappのチュートリアルがこれ
Lisk - DApp in 10 minutes [OUTDATED] - Lisk Forum
内容は期限切れになって久しいと思われますが、これよりマトモなチュートリアルを見つけるのが非常に難しく、アプリケーションを簡単に作れる状況にないことは明らか。
そりゃそうですね、スマートコントラクトがまだAPI実装されてないので、作るならサイドチェーンを自分で改造しないといけないわけですから、そこまでしてLisk選ぶのは少数。
そして、Ethereumはその通貨Ethと独自トークンの関係がすっきり分かりましたが、Liskはサイドチェーン上のLiskの扱いに不明な点(githubのREADME読んでも分からない点)が多いです。
そして公式ドキュメントの404(リンク切れ)の多さ。
正直これには少し疲れてしまった。
べつにスマートコントラクトなんてなくても、チェーンとP2Pさえあれば独自通貨もDappも作れるつもりだったので、自力でコーディングするつもりでしたが、Lisk側は今の状態で使ってもらう気はあまり無いようです。
③実用例は一応もうあるらしい
Liskベースのゲーム用のプラットフォームらしいです。サイドチェーンをイジれさえすれば、手数料も自由に決められるので場合によってはEthereum上よりも良い物を作れるかもしれません。
GitHub - MaxKK/guestbookDapp: Lisk Guestbook
がLiskの公式サンプルDappなんですが、このgenesisblock.jsonがサイドチェーンの最初のブロックになります。ブロックに書き込むデータをコードのように色々設定すれば任意のデータを合意保存できます。サイドチェーンの情報はメインチェーン(Liskノード全体がつくるチェーン)にリンクのように記録されます。
次のバージョンリリースでは、おそらくこのサイドチェーン上の合意データの作り方が限定されるけど分かりやすくなり、メインチェーンとのやりとりも明確にAPIで行われるのだと思われます。(今はなんでもありなので)
繰り返しですが、現フェーズはメインチェーンの安定期間ですので、Dappのリリースは少なくて当然です。
④Javascriptにした意味
これはおそらくサイドチェーンを低い学習コストでいじらせるためです。
ここが、Max氏の慧眼なんです。
Ethereumはかなり完成度の高いプラットフォームですが、新しい言語とバーチャルマシンで動くため、自由度の高いことは比較的しにくい。最近スケーラビリティの問題があった際も、「多くのプロジェクトが非効率なコードを書いているから」とVitalik氏が発言していました。
Liskではチェーンが別なので非効率なコードを書くDappプロジェクトがあろうが、メインチェーンにとっては割とどうでもいいですし、メインチェーンと問題を起こさない分、各プロジェクトは好き勝手にサイドチェーンをいじれるのです。
そのとき、あまり知らない言語で創造性を発揮しにくいですよね。好き勝手させるなら慣れている言語に限ります。
⑤3月から半減期相場
5月にマイニング(フォージング)報酬が4Liskから3Liskになります。Monacoinの露骨な半減期相場を覚えている方も多いと思いますが、Liskも同様です。だいたい2ヶ月ぐらい前から上昇が加速します。
個人的にはこれも上手いなと思います。毎年半減期を設定して話題を作るわけですから。
いずれにせよ秋の1.0.0リリース→春の半減期を考えると、かなり安定株な気がします。