ジオマーリン

geomerlin.com に関することを中心に。難しいことをもっと難しく書くブログ。

2017 情報科学若手の会を振り返る

10月7〜9日、伊豆の近くの伊東市で開かれた情報科学若手の会に参加しました。

 

情報科学若手の会は、プログラマーや情報系の大学生が集まって、昼に各自のプレゼン、夜にゲームと飲みをする3日を過ごすというものです。軽いようで50年の伝統がある面白いコミュニティです。

 

泊まった山喜旅館はゆっくりと時間が流れてて、物静かそうなプログラマーたちがポツポツと眩しい木造りのエントランスに集まってくるのは、記憶に残るシーンになりました。

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写真はこちらからお借りしました。 山喜旅館 伊豆伊東温泉 | 井伊部長の温泉グルメ探訪|

Geomerlinのコーダー、ヒルマ氏はギリギリにやってきました。

 

セキュリティキャンプや競プロのメンバーもちらほらいます。

 

1日目にヒルマ(@CoRe103)のスマートコントラクトに関する発表、3日目にヒオキ(@leo_hio)の地政学リスクの算出アルゴリズムに関する発表が控えており、ヒルマは割と深刻に緊張していたそうです笑。(本人談)

 

1日目のスマコンの発表はだいたいこれと同じコンセプトの発表ですが、この菅野積分のところを@CoRe103が改造し、わかりやすくまとめ上げたものです。

geomerlin-com.hatenablog.com

(ギハブに実験コードあがっているので、あとで貼り付けます。・・・というより、発表のリファレンスで実験コードあったので出した方が良かったですね。指摘してくれた方ありがとうございます)

 

ソーティングコンセンサスは、順位付けの合意システムであり、機械学習モデルをアップロード・共有しなくても、判断とその材料をソートして提出するだけで合意が生まれるという、簡潔さを重視したシステムです。

 

去年、ブロックチェーンに関するトピックは0だったらしいんですが、今年3つに増えたのは偶然なのかな・・?というのも、ビットコインの値段や話題度の話だけでなく、ありとあらゆるコンセプトのコインが市場を通して有名になったことで、ブロックチェーンの汎用性やインパクトがあまりにも鮮明になりました。これはプログラマーのコミュニティでは発信するほうだけでなく、聞く方も増えるのは想像に難くないです。

ちなみに僕も発表時間が5分余ったので、ブロックチェーンによる海外投資へのインパクトについて説明しました。

 

O久保さんのライトニングネットワークの解説は、とても丁寧で、特にチャンネルの開け閉めの部分は詳しい解説を求めていたので、かじりついて聞きました。メンバーからの質問も鋭く、「ブロックチェーンのフルノードが減って大丈夫なのか?」という点は、今でもビットコインコミュニティでは議論されています。

”ディセントライズ”、この抽象コンセプトと守るために何GBほどの議論がビットコイナーの間でされてきたでしょう?

個人的には、ライトニングネットワークのチャンネル中継ノードは、インターネットでのDNSサーバーみたいなもので、”ディセントライズ”を強く脅かすものではないと感じています。

 

この日の夜は、QRコードスプラトゥーンという異様なゲームをしました。これ考えた人誰だろ・・・すごい。

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クイズに答えたら、読み取れなくなるまでQRコードにフセンを貼っていけるというルールです。

 

このゲームのあとはひたすら夜遅くまで飲んでました。

とりあえず覚えていることは、みんな酒が入ってもプログラミングのことをずっと話すくらい没頭しているということ。慶應お茶の水が若手の会ではメインストリームということ。みんな暮らした田舎をディスりつつ、すごく好きでプライドがあるということ。・・・・かな。

 

2日目も同じ調子でしたが、割と夢中になるトピックが多いので、過ぎるのが異様に速かった気がします。日経でのAIのプロジェクトの話、懐かしのCTFの昨今、Nixという新しい環境。夜のライトトークを含めると30ほどトピックがあり、本当に色々です。

 

3日目、井上さんの前というプレッシャーの中、発表しました。

市場ではよく聞く地政学リスクという概念。

なんとなく分かったような雰囲気、しかし改めて考えると、そして実際に市場で揉まれてると後付に感じる。

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しかしながら、GPR-Indexの登場でその状況も変わろうとしているということをまず伝えようと話した。

 

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詳しくは下記リンクで。

 

geomerlin-com.hatenablog.com

 

そして、GPR-Indexのリアルタイム化、局所化の方法について提案した。 これによって政治的な

「天気予報」ができると言うと、分かりやすいかもしれない。

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ここで、僕があのプレゼンの時に伝えられなかったことをココに書いておきたい。それは、僕たち庶民にとっての地政学リスクの日常化だ。

多くの人にとって地政学リスクは一日どころか一年の間でも考えることなんてない。生活に関係ないからだ。しかし、これからは関係が出てくると考えて良いと思う。

少し前に、イギリスに行った時のこと。覚えているのが、列車のチケットの値段が分単位で変わっていたことだ。まるで為替みたいに。

細かい需給の情報が価格に反映されていたのだが、おそらく列車でテロでもあれば、チケットの値段は次の1分では激動するだろう。

社会の状況がますます正確でリアルタイムに価格に反映されるようになっている。これはインターネットによる社会変化の一種かもしれない。

これにさらに拍車をかけるのがブロックチェーンだろう。仲介をなくして、自動で権利や資産が移動するブロックチェーン社会で、社会の状況の変化はすぐに品物の売買へと結びつくようになる。つまり、それは地政学リスクや海外の情勢がすぐに品物の価格に反映する世界を表している。

そして、その社会では海外への投資はもちろん、海外を経由したお金のやりとりは当たり前になるだろう。中国に入港したワインが余ったらしいから、買って一週間後の誕生日プレゼントにするくらいは期待できそうだ。

もっと広い世界のことを当たり前に気にしながら毎日を生活できるなら、楽しみで仕方がない。もっとも、技術的な話ではないので、プレゼンでは話せなかったことだけれども、こんなことがすごく伝えたかった。

 

他にも、統計の方程式やモデルの意味さえ分かれば、ニューラルネットコードを実行することで、「数学」を置き換えることができる不思議な時代が来ていることとか、色々言いたかったかも。

 

帰りにヒルマ@CoRe103と一緒に海辺を歩いて帰った。

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結構ずっと話してた気がする。ずっと数学やコンピューターへの集中を保ちつづけてきて、これからもそうだろうヒルマからすると、ボクの数学が苦手だからコンピューターで補おうとする考え方は面白いのかもしれない。ニューラルネットのコーディングで「数学をしたことにする」っていう方法について、二人で考えていた。

 

今日は寒くて晩秋みたいなカンジだ。一週間前に伊豆で夏みたいな日を送れたことが信じられない。また季節が分からなくなるような日に、ニューラルネットのことでも考えたいな。